双頭の夢魔

 戦後を舞台にしたホラーミステリ、佐原万智シリーズ第1弾。

 1947年。電電公社に勤める及川誠は、かつて同じ部隊にいた長谷部から『若き日本画家・鷹山恵月の狂死にまつわる不気味な話』を聞く。
 その天才画家は、とある川越の宿に泊まって以来、奇妙な夢ばかりを見るようになり、やがて“一つの絵”しか描かなくなり狂い死にしたという。
 カストリ雑誌の記者である長谷部が手に入れた画家のスケッチブックには、美しく艶めかしい結合双生児の少年が描かれていた。
 取材に行くと言って川越の宿に泊まった長谷部もまた、双子の夢を見るようになり静かに狂っていく……。
 一方、銀座に事務所を構える女探偵のところに奇妙な依頼が舞い込んだ。
『娘が自殺した原因を探ってほしい』という依頼だが、探るうちに謎は狂死した画家・鷹山恵月へと行きつく。
 日本画家の狂死、結合双生児の美少年にまつわる怪異、その背後にある川越の宿、不眠症になり首吊り自殺した女……絡み合う複数の謎を、バツイチ四十路ヘビースモーカー占い師・佐原万智が暴く!

  • ​ホラー要素のあるミステリ
  • エログロナンセンス風味
  • 複数の謎が同時進行で進む
  • 掌編2作品も収録
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